「ものがたり歳時記」について


「ものがたり歳時記」は、季節の風物詩を題材に、それをめぐる人々を描いた、ショートストーリー・シリーズです。この物語では、一般的な「春夏秋冬」ではなく、
「新年(早春)・春・梅雨・夏・秋・冬」
の6つの季節に分類しています。

「ものがたり歳時記」は、omimiが高校生の頃、つくったシリーズです。
その当時、「日本らしさ」について、ずいぶんと考えていたような気がします。特に、同年代の、同じような作家志望の人たちが、カッコよさを求めて、横文字のタイトルをつけるのに反発していたから、ということもあるかもしれません。
そんな時に、ニュース番組で「季節の話題」みたいなものを紹介しているのをみかけました。よくあるネタではあるのですが、その時、「なにげない、季節の風景の裏側にも、なにか素敵ストーリーが隠されていたりするのではないか」と思ったのです。
そこから生まれたのが、風物詩を触媒とした、ショートストーリーのシリーズだったのです。

当時ルーズリーフにかきつけたメモがいまだに残っているのですが、「よくもまぁ、一気にこれだけのものを思いついたな」と、自分で自分に感心してしまうほど、実にたくさんのストーリーの断片が記録されていました。いま読み返すと、ロクな内容ではないのですが、そのパワーがうらましくもあったりします。

その頃のomimiは、「高校生のうちに、少女小説家としてデビューしてやる」とホンキで思っていました。特別に少女小説が好きだったというより、むしろ「プロにいちばんなりやすかった」ということで決めてしまった記憶があります。
で、「Cobalt」という雑誌に、毎回のように投稿をしていくのですが、この雑誌が「季刊」だったのです。「デビュー後、どんな連載をしようか」なんて心配もしていました。「入選もしないウチからなんて気の早い……」なんて思われるかもしれませんが、「その時」のための準備をしたたかにしている者こそが、プロとして生き残れると信じていました。デビューはしたものの、消えていってしまう人をたくさん見てきましたから。
余談ですが、その精神が、ライターして1冊の本に関った時、「いまのうちに、次の企画を考えておかなきゃ」と思い、『パソコン通信「暗黙のご了解」事典』の執筆へとつながっていったと思っています。
そうしたことから、「季刊の雑誌にあう連載、しかもみんながやりたがるような長編モノでもありきたりな学園モノでもない、短編連作シリーズを」という意識をしていたのは事実です。それが、「ものがたり歳時記」につながっていったのかもしれません。
その後、季刊だったCobaltが、隔月刊に変わり、それにあわせて季節の分類を「春・夏・秋・冬」から「新年(早春)・春・梅雨・夏・秋・冬」と分けました。それが「6つの季節」の理由です。我ながら、あきれたものですが(^_^;)
でも、そのおかげで、季節が4つだけではないことを知ることができたと思っています。先日テレビのCMで、「日本には24の季節がある(二十四節気のこと)」というフレーズを耳にしましたが、その通りだと思います。そこから考えると、(便宜上)季節を6つにわけたのは、より日本らしさを強調することにつながるのではないのかな、と考えています。

ともあれ、小説に関しては、まだまだ未熟な(というより、長年のパソコンライター生活で忘れてしまった、と言ったほうが正しいカモ(^_^;))わたしくですが、どれかひとつでも、お気に入りの物語を見つけていただくことができたのならぱ、さいわいです。


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